
近年、薬剤師の転職市場は大きな変化を遂げています。特に有効求人倍率の推移や、求人を多く出す企業の特徴に注目すると、その動向が明らかになります。本記事では最新の薬剤師の転職動向についてまとめています。
薬剤師の有効求人倍率の推移
有効求人倍率は、求職者1人あたりに対する求人数を示す指標で、転職市場の需給バランスを把握する上で重要です。薬剤師の有効求人倍率は、2015年には7.18倍と非常に高い水準にありましたが、2021年には2.68倍まで低下しました。2024年2月時点では2.34倍と、さらに減少傾向が続いています。
このように、薬剤師の求人倍率は年々低下しており、かつての「売り手市場」から「買い手市場」へと移行しつつあります。
薬剤師の求人数減少の要因
求人数の減少には複数の要因が考えられます。まず、薬学部の増設や薬剤師資格取得者の増加により、薬剤師の供給が増えたことが挙げられます。特に都市部では供給過剰となり、求人倍率が低下しています。
また、新型コロナウイルスの影響で医療機関や調剤薬局の経営が悪化し、採用を控える動きが見られました。さらに、薬価差益や調剤報酬の改定により、薬局の経営環境が厳しくなっていることも、求人数減少の一因と考えられます。
薬剤師の地域別の求人動向
地域によっても求人倍率には差があります。都市部では薬剤師の供給過剰により求人倍率が低下していますが、地方や医療過疎地では依然として薬剤師不足が深刻で、高待遇の求人が多く存在します。東京都の薬剤師有効求人倍率は2.98倍で、全国平均の3.41倍より低いものの、依然として水準としては高い傾向にあります。
厚生労働省が2023年3月に公表した「薬剤師偏在指標」によると、薬剤師が最も不足している都道府県は以下の通りです(数値が低いほど不足度が高い):
- 福井県(偏在指標:0.74)
- 青森県(偏在指標:0.78)
- 富山県(偏在指標:0.80)
- 山形県(偏在指標:0.82)
- 鹿児島県(偏在指標:0.82)
このように、地域ごとの需給バランスの違いが、転職活動に影響を与えています。
薬剤師の求人を多く出す企業の特徴
求人を多く出す企業には、以下のような特徴が見られます。
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大手調剤薬局チェーン: 全国展開している大手チェーンは、新規出店や事業拡大に伴い、常に一定数の薬剤師を募集しています。これらの企業は教育制度や福利厚生が充実している一方、業務量が多い場合もあります。
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在宅医療に注力する薬局: 高齢化社会の進行に伴い、在宅医療の需要が増加しています。在宅医療に対応するための薬剤師を積極的に採用する薬局も増えており、これらの企業は在宅医療に関する知識や経験を持つ人材を求めています。
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地方の医療機関: 地方では薬剤師不足が深刻であり、高待遇での求人が多く見られます。地域医療に貢献したいと考える薬剤師にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。
薬剤師の転職活動のポイント
転職市場が「買い手市場」へと移行する中、薬剤師が希望する条件で転職を成功させるためには、以下のポイントが重要です。
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スキルアップ: 在宅医療や専門薬剤師の資格取得など、専門性を高めることで、他の求職者との差別化を図ることができます。
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地域選択: 都市部にこだわらず、地方での勤務も視野に入れることで、より多くの求人情報を得ることができます。
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情報収集: 転職エージェントや求人サイトを活用し、最新の求人情報や市場動向を把握することが重要です。
以上の点を踏まえ、転職活動を進めることで、より良い条件での転職が可能となるでしょう。
参考:厚生労働省薬剤師偏在指標の算定について、厚生労働省薬剤師
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